2026年7月05日

6月の患者会総会において、管理栄養士より上記の講演が行われました。糖尿病の食事療法というと、「食べてはいけないものが多い」「量を減らさなければならない」と思われがちですが、実は大切なのは我慢することではなく、食べ方を工夫することです。今回は講演の内容から、今日からすぐに実践できるポイントをご紹介します。
カロリーと血糖値は同じではありません
「カロリーが高い食べ物=血糖値が上がる」と思っていませんか?
実は、血糖値に最も影響するのは炭水化物(糖質)の量です。
例えば、
コロッケ2個
とんかつ1枚
を比べると、意外にもコロッケのほうが糖質は多く、食後血糖が上がりやすいことがあります。食事を選ぶときは、「カロリー」だけでなく「糖質量」にも目を向けてみましょう。
食べる順番を変えるだけでも血糖値は変わります
最近注目されているのが「カーボ ラスト」という食べ方です。
おすすめの順番は、
①野菜やおかず(肉・魚・卵・豆腐など)
②ご飯やパン、麺類などの主食
という順番です。
最初に野菜やたんぱく質を食べることで、糖質の吸収がゆっくりになり、食後の血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
「麺だけ」「丼だけ」は要注意
ラーメン、ざるそば、おそうめんなどの単品メニューは、糖質が中心になりやすく、食後血糖が上がりやすい食事です。
そんな時は、
ゆで卵
冷ややっこ
サラダ
サラダチキン
などを一品追加するだけでも、栄養バランスが大きく改善します。コンビニでも十分に実践できます。
飲み物の糖質は意外と多い!
患者さんが見落としやすいのが飲み物です。スポーツドリンク、ジュース、炭酸飲料には、多くの糖質が含まれています。
実際には、
コーラ150mL:約17gの糖質
ポンジュース150mL:約16gの糖質
スポーツドリンク150mL:約7~9gの糖質
が含まれています。毎日の習慣になっている方は、無糖のお茶や水、糖質ゼロ飲料に変えるだけでも血糖改善につながります。
おやつや果物は「食後」に
お菓子や果物は、「間食」として食べるよりも、食事の一部として食後に食べることがおすすめです。
また、
夜遅い時間の間食
寝る前のアイスやジュース
は翌朝の血糖値にも影響します。「少しだけだから」と続いている習慣が、血糖コントロールを難しくしていることも少なくありません。
朝食を抜かないことも大切です
「朝は食欲がないから食べない」という方もおられます。
しかし、朝食を抜くと昼食後の血糖値が急激に上がりやすくなることが分かっています。
糖尿病では、
1日3食を規則正しく食べること
が、実は最も基本的で大切な治療の一つです。
野菜ジュースは野菜の代わりになりません
「野菜ジュースを飲んでいるから大丈夫」と思っていませんか?野菜ジュースには、野菜の大切な成分である食物繊維が十分に含まれていないことがあります。
野菜はジュースではなく、
サラダ
おひたし
煮物
野菜炒め
など、実際に噛んで食べることが大切です。
最後に、今日から始めたい3つのポイントです。
※主食より先に野菜やおかずを食べる
※麺類や丼物には一品追加する
※甘い飲み物は減らして、水やお茶を選ぶ
糖尿病の食事療法は、「○○を食べてはいけない」という我慢の治療ではありません。食べ方を少し工夫するだけで、血糖値は大きく変わります。すべてを一度に変える必要はありません。まずはできることを一つから始めてみましょう。
当院のホームページの食事療法では「基本アドバイスの7か条」をまとめていますので、そちらもご覧下さい。
