2026年6月04日
クリニックの待合いで紹介していました、2026年6月3日のNHK「あさイチ」の番組をご覧になりましたか?「夏こそ適塩!?塩との付き合い方を考え直しましょう!」が特集されましたので、まとめてみました。
暑くなると熱中症対策として「塩分補給」が話題になります。しかし、高血圧や糖尿病の患者さんは「塩分を摂った方がいいの?それとも減塩を続けるべき?」と迷われることも多いのではないでしょうか。
大切なのは、「減塩」か「塩分補給」かの二者択一ではなく、自分の状況に応じて適切な量の塩分を摂る「適塩」という考え方です。
夏は汗とともに塩分も失われます。
私たちは汗をかくと、水分だけでなく塩分(ナトリウム)も失います。
ウォーキングやスポーツ、畑仕事などで大量に汗をかいた場合、水だけを補給していると体内の塩分バランスが崩れることがあります。
次のような症状がある場合は、脱水や塩分不足が関係している可能性があります。
・めまい ・頭痛 ・強いだるさ
・足がつる ・力が入りにくい
特に真夏の屋外活動では、水分とともに適度な塩分補給も大切です。
それでも高血圧の方は減塩が基本です。
一方で、日本人はもともと塩分摂取量が多いことが知られています。
塩分の摂りすぎは、
・高血圧 ・脳卒中 ・心筋梗塞 ・腎臓病
のリスクを高めます。
糖尿病の患者さんでも、腎臓や血管を守るために減塩は重要な治療の一つです。
普段は減塩を心がけ、たくさん汗をかいた時だけ適切に補うことが理想的です。
注目される「ナトカリ比」
最近は「塩を減らす」だけでなく、「カリウムを増やす」ことも重要と考えられています。
カリウムには余分なナトリウムを体外へ排泄する働きがあります。
カリウムを多く含む食品には、
・野菜(ほうれん草、小松菜、ブロッコリー)
・枝豆 ・じゃがいも
・バナナ ・納豆 などがあります。
高血圧予防のためには、減塩とともに野菜をしっかり摂ることも大切です。
※腎機能が低下している方はカリウム制限が必要な場合があります。
味覚が鈍ると減塩は難しくなります
番組では塩味の味覚検査も紹介されました。実際に街頭調査では、正常な塩味感覚を持つ人は半数程度で、多くの人で塩味に対する感覚が鈍くなっていました。塩分の多い食事に慣れると、「もっと味を濃くしないと満足できない」状態になります。しかし減塩を続けると、数週間で味覚は改善していきます。
今日からできる減塩のコツ
実は塩分の多くは調味料から摂取しています。
おすすめは、
① かけるより「つける」
醤油やソースを直接かけず、小皿につける。
② 汁物は1日1回まで
みそ汁やラーメンのスープは塩分の大きな原因です。
③ 香辛料や酸味を利用する
・レモン、・酢、・こしょう、・カレー粉、・ハーブを活用すると、塩分を減らしても満足感が得られます。
④ 加工食品を見直す
・ハム、・ソーセージ、・かまぼこ、・ちくわ、・漬物には意外と多くの塩分が含まれています。。
当院からのメッセージ
高血圧や糖尿病の方にとって減塩は重要ですが、夏は「減塩一辺倒」ではなく「適塩」が大切です。
・普段は減塩を意識する
・野菜や果物でカリウムを増やす
・大量の汗をかいた時は水分と塩分を適切に補給する
この3つを心がけることで、熱中症予防と血圧管理の両立が可能になります。
暑い夏を元気に乗り切るために、「塩を減らす」だけではなく、「塩と上手につきあう」ことを意識してみましょう。
